2026年度(第44回)毎日ファッション大賞の表彰式開催 大賞は高橋悠介氏 日本ファッションの革新と継承

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞

 

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞の表彰式が2026年10月20日に開催されました。国内で最も権威のあるファッションアワードだけに、受賞者の顔ぶれは今の日本ファッションの勢いや特質を示すかのようです。今回も選考委員の1人として表彰式に参加しました。受賞した皆さんが述べたメッセージを交えて、受賞式の様子をリポートします。

毎日ファッション大賞(毎日新聞社主催、経済産業省後援)の大賞は「CFCL」の代表兼クリエーティブディレクターの高橋悠介氏が受賞しました。新人賞・資生堂奨励賞に選ばれたのは、「TELMA(テルマ)」デザイナーの中島輝道氏。長らく業界に貢献した人や団体を表彰する鯨岡阿美子賞はビームス代表取締役社長の設楽洋氏と、故・小室知子氏に贈られました。話題賞に選ばれたのはデサントの「新水沢工場」でした。

 

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞

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■大賞 高橋悠介氏 CFCL代表兼クリエーティブディレクター

三宅デザイン事務所で「ISSEY MIYAKE MEN」のデザイナーを務めた後、2020年に独立し、株式会社CFCLを立ち上げました。翌21年には第39回毎日ファッション大賞の新人賞・資生堂奨励賞を受賞。そこからわずか5年で頂点の大賞を射止めたスピード感からもブランド成長の速さが感じ取れます。ニットの可能性を広げたのに加え、ブランド運営、企業経営などの面でも高い評価を受けました。クリエーションにとどまらない力量を認められた点で、これまでの毎日ファッション大賞の受賞者イメージを書き換えたとも言えそうな画期的な受賞となりました。

新人賞当時は社員が2、3人だったそうですが、「5年間で100人近くに増えた」(高橋氏)そうです。伸び盛りの勢いがうかがえます。受賞スピーチで明かした目標の第一は「グローバルブランドになる」です。主要都市の大通りに路面店があるような規模感です。もう1つは「服をつくることによって社会をよくしていきたい」。社会課題と向き合う意識を示しました。「CFCL」は環境評価の「B corp」認証を得ていることでも有名です。結びには恩師、三宅一生氏の名前を挙げて、あらためて憧れと感謝を示しました。

 

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞

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■新人賞・資生堂奨励賞 中島輝道氏 TELMA(テルマ)デザイナー

中島氏はファッション名門校のアントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、ヨーロッパの有力ブランドで経験を積みました。「DRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァンノッテン)」ではウィメンズデザインを担当。帰国後には株式会社イッセイミヤケへ。2022年に「TELMA」を立ち上げました。国内産地に自ら足を運んで、職人と力を合わせたものづくりに取り組んでいます。日本服飾文化への深い敬意に根差したクリエーションで独自の世界を築いてきました。

マルタン・マルジェラ氏の作風に惹かれてデザイナーの道へ進んだという中島氏は自らの体験を踏まえて、「デザインとはただ新しいものをつくるのではなく、ものの見方や価値観まで変える」という創作哲学を披露。「日本の風土に根差し、長い時間をかけて育まれていく技術や感性を今の時代に活かすことを大切にしている」と述べました。「時間を重ねて、人生の一部となり、長く愛される服を作っていきたい」と、今後の目標も語りました。

 

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞

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■鯨岡阿美子賞 設楽洋氏 ビームス代表取締役社長

セレクトショップという業態を日本に根づかせた「BEAMS(ビームス)」は1976年の創業から50年の節目を迎えました。創業に参画し、数々のムーブメントを生み出してきた設楽氏は「ビームス」のエンジンであり続けています。受賞スピーチでは5.5坪の店でスタートしてからの半世紀を回顧。「本日誕生日を迎えた妻への最高のプレゼント」というくだりに大きな拍手がわきました。「楽しい文化をつくっていきたい」と述べて、セレクトショップの枠を超え、カルチャーショップへの成長を目指す気持ちも明かしました。

 

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■鯨岡阿美子賞 故・小室知子氏

編集者、スタイリストを経て、若き日の三宅一生氏と共に1970年、株式会社三宅デザイン事務所を設立した小室氏は2026年4月に逝去しました。三宅デザイン事務所では代表取締役副社長として約40年にわたって、「ISSEY MIYAKE」のものづくりと組織運営を支えた「縁の下の力持ち」的な存在。今回の受賞者になった高橋氏、中島氏が共に出身者であることからもわかる通り、「ISSEY MIYAKE」は日本ファッション界の大樹であり続けています。長女の登子氏が代理で感謝の言葉を述べました。

 

2026年度(第44回)毎日ファッション大賞

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■話題賞 デサント「新水沢工場」

デサントアパレルの水沢工場は「水沢ダウン」の生産拠点として有名です。高品質のものづくりに取り組んでいる点で、日本ファッションの方向性を先導する存在です。2025年には新工場が稼働。環境配慮や地域共生、従業員満足度向上などの面でも次世代工場のあり方を示しています。デサントの小関秀一社長は複雑な工程を紹介した上で、水沢工場の特別さを説明。1%にまで減った「メイド・イン・ジャパン」の価値と覚悟をあらためて語りました。

 

表彰式のあとには、TELMAの受賞記念ファッションショーが開催されました。

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表彰式では来賓の東京クリエイティブサロン(TCS)実行委員会会長、大西洋氏が挨拶を述べました。受賞者へのお祝いを述べたのに続けて、44回の歴史を重ねてきたファッションアワードの存在をたたえました。東京都内の複数エリアが連携して開催する大規模なファッション、デザイン、アートのイベント「東京クリエイティブサロン」の意義についてもあらためてアピールしました。

毎日ファッション大賞の公式サイト(URLは下記リンクから)では、受賞者の詳しいプロフィールや「受賞のことば」、インタビュー記事が掲載されています。選考経過が丁寧に公開されているのも、毎日ファッション大賞の特長です。新聞社が主催するアワードならではの透明性です。選考委員全員の講評を読むと、選考の意図や受賞の意義をさらに深く感じ取れるでしょう。私のコメントも載っています。

毎日新聞社は源流となった1872年の創刊から数えて、来年で155年の節目を迎えます。授賞式では毎日新聞社の斉藤信宏社長から、「(新人賞・資生堂奨励賞の)資生堂と同じ」という言葉がありました。資生堂も創業155年を迎える次回2027年の毎日ファッション大賞は特別な重みを持つアワードとなりそうです。

 

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「2026年(第44回)毎日ファッション大賞」表彰式 / 提供:毎日新聞社

第44回毎日ファッション大賞受賞者ページ https://macs.mainichi.co.jp/fashion/win44/index.html

毎日ファッション大賞
https://macs.mainichi.co.jp/fashion/

 

 

 

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