「ワークマン」の新業態はおしゃれ系とワークウエアが半々のハイブリッド

ファッション業界でも関心を集める、ワークマンの新店舗業態「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」。2018年11月にオープンした「川崎中野島店」(川崎市)へ行く機会があったので、リポートしたいと思います。取材で訪れたわけではないので、店内の写真を撮れなかったのが残念ですが、ご了承ください。

こちらの店舗は、機能性アイテムを主体に一般客向けにシフトした第1号店(ららぽーと立川立飛)とは違い、作業服や軍手に象徴される、本来の「ワークマン」で扱うプロ向けアイテムも取り扱う「ハイブリッド業態」の第1号店です。

ロードサイドへの立地を得意とするワークマン系列の店舗らしく、府中街道に面しています。店舗面積は約300平方メートル。名前に「川崎」とついていますが、川崎駅からは遠く、小田急線の生田駅やJR南部線の中野島駅が最寄り駅となります。

 

店先のワゴンに軍手10セット束が178円台で売り出されていました。第1号店の「ワークマンプラス ららぽーと立川立飛」は割とファッション性を意識した品ぞろえが話題を集めているようですが、こちらはいきなり軍手をプッシュしているところからも、作業着系のアイテムを打ち出している様子がうかがえました。

ただ、実際に店内を見て回ると、アウターやシャツ、パンツなど、デイリー使いに向くおしゃれ系アイテムがほぼ半分の売り場を占めていて、プロ向けと一般向けが半々程度と見えました。一般向けで主力に据えられていたのは、アウトドア、スポーツ、レインウエア。プロ向けでは土木・建築工事に役立つワークウエア、靴下、手袋類が中心になっていました。

 

今回、個人的に注目したのは、足が冷えにくいレッグウエアのような、過酷な労働環境で頼もしい機能性ウエアです。とりわけ、靴下のラインアップは圧倒的なボリューム。保温性や蒸れにくさが売り物で、五本指タイプもいっぱい。トウガラシ成分のカプサイシンを練り込んだ繊維は発熱・保温の効果が魅力的です。写真は購入したカプサイシン加工ソックス(4足で580円)とストレッチフィットソックス(4足で399円)。機能性が高いのに、驚異的なプチプラです。

各アイテムのディテールにも労働現場からのフィードバックが感じられます。たとえば、アウターのポケットは一般的な出し入れ口の2倍以上もありそうで、手をスッと差し込めます。手元から目を離しにくい作業現場で鍛えられたデザインが随所に見受けられました。

メンズアイテムが多いので、ジェンダーミックスのスタイリングに役立つウエアを女性が探しやすくなっています。大きめのLL、3Lサイズが豊富にそろっているから、オーバーサイズ好きにも向いた品ぞろえです。

ケミカルな質感のアイテムは近頃のレトロフューチャー系着こなしにも組み込みやすいでしょう。ヤッケ(アノラック)やレインパーカはキャンプ好きが重宝しそう。アウトドア仕様の靴にも人気が集まっていました。

しっかり中綿の入った防寒ジャケットがアンダー3000円というのは、いわゆるお手頃系アパレルブランドでもなかなかお目にかかれないレベル。全体にかなり割安感が強く、レジにはまとめ買いで買い物かごをいっぱいにしたお客様が目立ちました。

ワークマンがすごいのは、ただ安いだけではなく、機能がしっかりしているところ。きつい作業現場で働くプロが消費者として徹底的に鍛えてきたからこその保温性や丈夫さには頼りがいが感じられます。

川崎中野島店に続き、3号店のららぽーと富士見店(埼玉県富士見市)が既にオープンしています。今後も100店舗程度を目指して、新規の出店が勢いづく見込みなので、アクティブ気分のおしゃれが盛り上がる流れを含めて、引き続き、ウォッチしていきたいと思います。

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