「JIL SANDER(ジル サンダー)」は2025年2月26日、ミラノ・ファッションウィークで2025年春夏コレクションを発表しました。ルーシー&ルーク・メイヤー夫妻による最後のコレクションです。
「闇」の色合いを光へと変え、輝きを手に入れるようなイメージを演出しました。濃密な黒に染められた細身のロングドレスやトレンチ、シャツには、徐々に可憐な花柄が浮かび上がるような表現が施されています。
クリームを帯びた無垢なガウンは、織地の豊かな質感を引き立てるリボンのように、または英国仕立てのウールからふわりと湧き出る羽や葉のように、繊細なディテールが浮かび上がります。切りっぱなしの仕上げが精緻さと魅力を際立たせ、ありふれたものを完璧なサルトリアへと昇華させています。
タフタやシルク、ベルベットのニットで仕立てられたドレスは、ストレートシルエットやプリーツが施され、シルバーやブラックの長いスパンコールが手作業であしらわれています。
男女兼用のキルトスカートは、エアリーでシャープな印象。アルパカやカシミヤの巧妙に手編みされたニットも豊かな表情を生み出しました。
「ジル サンダー」への高い評価を支え続けてきたルーシー&ルーク・メイヤー夫妻の願いが込められたかのような、完成度の高いラストコレクションです。