「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

ニューヨークブランド「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展がロンドンのFashion and Textile Museum(ファッション&テキスタイル博物館)で開催されているということも今回のロンドン出張の楽しみのひとつでした(2017年5月26日~10月1日開催)。ロンドン滞在中に行ってきました。

 

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

 

今回の「The World of Anna Sui」展では、1991年のデビューから現在に至るまでの作品が2階建ての館内を埋め尽くしました。12のテーマ別にステージが分かれています。各テーマはデザイナーの特質をきれいに映し出していて、FAIRYTALE、VICTORIAN、NOMAD、PUNK、ANDROGYNY、AMERICANA、MOD、SCHOOLGIRL、GRUNGE、RETRO、ROCKSTAR&HIPPIE、SURFERの12から成ります。

今までのコレクションから選び抜かれた展示を眺めていると、当時の気分まで呼び覚まされます。ヴィンテージからのインスパイアをはじめ、クロスカルチャーやダイバーシティーなどの視点には、現在のモードシーンにおける重要テーマを当時から先取りしていたことがうかがえます。

さらにシューズやバッグ、アクセサリー、コスメティックスなどの小物・ビューティー類も充実していて、この分野でも早くから成功していた「アナ スイ」の業績を印象づけます。紫のアイコンカラーで館内の壁が彩られていて、ニューヨークのショップを再現したかのような内装。展覧会タイトルの通り、アナの世界に浸り込むような感覚が味わえます。

 

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

 

モデル選びに関してもアナの目利きぶりは有名で、新人時代にショーに出たモデルがすぐトップモデルになる例をいくつも見てきました。写真パネルでは歴代のモデルも紹介。写真家のスティーブン・マイゼルやモデルのナオミ・キャンベル、映画監督のソフィア・コッポラといった、アナと親交の深い著名人各氏との交遊を示す写真も展示されています。

さらにアトリエでの創作を伝える資料も公開。インスピレーションソースとなった写真やテキスタイル、デザイン画などを一覧できるようにピン留めしたイメージボードは作品の「設計図」とでも呼べそうな資料です。ランウェイショーの招待状も展示されています。

 

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

 

今の私の仕事にきっかけを与えてくれたのは、「アナ スイ」での仕事と、アナ本人との出会いでした。東京・表参道のキャットストリートにあった、「アナ スイ表参道店」(既に閉店)ではオープン以来、店長職を務め、その思い出は数え切れないほど。在任中は毎シーズンNYへ出張し、ショーを見て、買い付け業務も行いました。日本に「アナ スイ」ブランドを根付かせるうえで、少しはお役に立てたと自負しています。

その後、NYのANNA SUI社でインターンとしてクリエーションの現場に立ち合う経験もできました。アナと一緒にNYの蚤の市を巡ったり、自宅にお招きいただいたりと、創造するデザイナーと間近に過ごせたのは、どれもかけがえのない思い出です。

 

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

 

今回の回顧展に伴い、ハードカバーで大判の豪華本『The World of Anna Sui』も発売されています。英語版ですが、私も購入済みです。そして、日本語版が東京美術から発売になりました。詳細はこちら

この本の246~247ページに見開きで掲載されているのは、写真家・編集者の都築響一氏が過去に撮影した写真で、実は被写体は私です(名前のスペルが「REI」と間違っていましたが…)。アナ本人の希望で今回の記念本に収録されました。こちらも宝物です。

展覧会では自由に撮影ができたのに加え、インスタグラム用のフォトスポットもあり、写真に収めることができました。館内がアナの感覚に染め上げられていて、全身でアナ・テイストに酔いしれました。

 

「ANNA SUI(アナ スイ)」の回顧展「The World of Anna Sui」展で感慨にふける

 

全体を見てあらためて気づいたのは、彼女のぶれない作家性です。テーマに選ばれた12の切り口はデビュー当初から一貫していて、迷いがありません。それは流行を追うのではなく、本当に自分が好きな服を作っているから。アナ自身の好みや興味がクリエーションと一体になっていることがよくわかります。クリエーションがアナ自身を映しているという意味では、今回の展覧会自体がデザイナー半生の映し鏡になっていて、そのうちの数年間を伴走することのできた私にとっても感慨ひとしおでした。

The World of Anna Sui
https://www.ftmlondon.org/ftm-exhibitions/the-world-of-anna-sui/

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