(2005/3/14) いつもと違うセントラルパーク

ちょうど仕事でニューヨークを訪れた時期に、マンハッタンでは様々なイベントがありました。その一つが野外芸術「ザ・ゲーツ(The Gates)」です。

 「風景と同化する芸術作品」を作り続け、世界文化賞も受賞している国際的な現代アーティスト、クリスト夫妻がセントラルパークを舞台に制作した、壮大な野外芸術です。2月12日から27日までの16日間という期間限定の展示とあって、このチャンスを逃さないように、見に行ってきました。

 1979年に最初の企画を立ててから、実現まで26年間かかったといわれる「ザ・ゲーツ」は夫妻による19作目の作品です。セントラルパークの約37キロの遊歩道に7500のオレンジの門(ゲート)を立て、門の上部から鮮やかなオレンジ色の布を垂らした大がかりなオブジェです。

 今回、私がニューヨークにいた期間はほとんど毎日が雪で、とても寒い時期でした。ただ、このイベントを目の前にしたときばかりは、「雪で本当によかった」と感じました。

 セントラルパークはふだん、何気なく通る所ですが、今回は違いました。雪の白と門・布のオレンジのコントラストが目に鮮やか。37キロの遊歩道にどこまでも続くオレンジ。バックにはマンハッタンの摩天楼がそびえ立っています。

 ゲートをいくつもいくつもくぐり抜けながら、文字通り、都会のど真ん中(セントラル)に広大な自然を残す街、ニューヨークの素晴らしさをを実感しました。オレンジの門の中をただただ歩く来場者は、どの人も表情が生き生きしていたように、私には見えました。

 訪れた人の数は延べ約400万人で、そのうち海外からは約30万人の訪問者だったということです。これだけのビッグイベントをやってのけ、世界中からアートファンを呼び寄せるニューヨークという街のスケールの大きさをあらためて感じたイベントでした。

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